artwork
屋外
-
朱鳥の舞
日本における抽象彫刻の第一人者である清水九兵衞(1922-2006)の作品です。みやこめっせの開館した1996年に制作されました。
アルミと鉄パイプで構成された3つのブロックから成り、高さ3.68m、幅13.2m、奥行き7.6mと横に長いフォルムは、当館の建物のフォルムに合わせて設計されました。
みやこめっせを設計した建築家 川崎清(1932-2018)は「かねて、岡崎公園は松の緑と平安神宮の赤がテーマ色であることを考え、これを現代化することを考えていた」*と述べています。そこで、当館の正面を飾る彫刻を依頼するなら、赤を使う彫刻家である清水氏だと最初から考えていたそうです。
*『新建築1996年7月号』「風景としての建築--京都市勧業館みやこめっせ・石川県立歴史博物館辰巳用水モニュメント・福井県立大学小浜キャンパス福井県立大学生物資源学部海洋生物資源学科〔設計・川崎清 他〕」P.205」
-
京都博覧会碑
みやこめっせの敷地東端に、ひょろりとした背の高い碑が建っています。上部のタイトルには「京都博覧会碑」と刻まれています。
明治になって新しい技術の開発や知識の普及のために西本願寺・知恩院・建仁寺を会場として博覧会が開かれました。ついで明治13年に、京都御苑内に常設の博覧会場が設置されました。明治以降衰退した京都の産業を立て直すための試みでした。そして、これを記念するために碑を建てた、という趣旨が書かれています。
碑は、昭和12年に京都博覧協会が解散したときに、京都市勧業館へ移設されました。今日、みやこめっせでは様々な催しが行われています。美術館で行われるような展覧会から商品の展示会までいわば現代の博覧会場といえるでしょう。その意味で碑にとっては絶好の安住の場を得たようです。
-
源氏物語石像
京都府石材業協同組合結成30周年記念事業の一環として、石青会様より、京都市に寄贈された石像が、みやこめっせに設置されています。この石像は『源氏物語』第十二帖「須磨」の和歌をモチーフとしています。
源氏の君の和歌
「身はかくて さすらへぬとも 君があたり 去らぬ鏡の 影は離れじ」
(訳:たとえこの身は、地の果てまでさすらいの旅をつづけても、あなたの鏡の面にはわたしのおもかげがとどまって、あなたと離れはするものか)
紫の上の和歌
「別れても 影だにとまる ものならば 鏡を見ても なぐさめてまし」
(訳:たとえあなたと別れても、恋しいあなたのおもかげがせめて鏡に残るなら、日がな一日この鏡を飽きずに眺め暮らしましょう)
この石像には、世界平和への願いとともに、「あなたは一人ではなく、いつもあなたのことを考え見てくれている人が傍にいますよ」というメッセージが込められています。人の温もりや相手を思いやる気持ちなどを、この石像から感じ取っていただければ幸いです。また、見る角度や天候によって変化する表情もぜひお楽しみください。 -
ヴァラス噴泉複製
パリ街角のシンボルとして今も愛される「ヴァラス噴泉」。1870年の普仏戦争、水の配給もままならないパリ市民の困窮を知った英国の慈善家リチャード・ウォーレス卿(Richard Wallace)により、“飲料に適した水を”とパリ市に噴泉が寄贈されました。
1872年には最初の噴泉が据え付けられ、その後パリのいたるところに飲料用の噴泉が置かれるようになりました。なかでも、古代ルネサンスの彫像をイメージした噴泉が一番多く、これはフランスと芸術に親しんだウォーレス氏自身によるデザインとされています。
1988年、京都市・パリ市友情盟約締結30周年記念に合わせ、この複製がパリ市から贈られました。噴泉を囲む4体の彫像は、それぞれ純朴、善意、節酒、慈善を表しています。
※ レストランのテラス脇にあるため、正面からはご覧いただけません
-
与謝野晶子歌碑
建立は昭和59年(1984)5月で、同年が友禅染の祖宮崎友禅斉生誕330年に当たることから、友禅を歌ったこの歌碑を公共施設では初めて旧伝統産業会館敷地に建てられ、また碑文の書は晶子さんの六女・藤子さんによって書かれました。
「友染を なつかしむこと 限りなし、 春が来るため 京思ふため」
(歌の意味 「春が来るたびに友禅を想い、そして京都がなつかしく思い出される」)ここで詠まれている「友染」のイメージは、華やかな色とデザインの着物(振袖など)であり、また「春の来るため」は振袖姿などの女性で華やぐ正月が来たため、と考えられます。京友禅の着物を、正月にふさわしいからこよなく愛し、しかも、京都で生み出されているからこそいっそう愛するのだ、という内容です。晶子さんは、生涯を通じて古典文学の舞台となった京都を愛し、京都を詠んでいます。そのような晶子さんならではの歌といえるでしょう。
今日、みやこめっせでは呉服関連のイベントや展示会が多数開催されております。そのことからも、みやこめっせにふさわしい歌碑ではないでしょうか。
※ レストランのテラス脇にあるため、ご覧いただけません
-
悠久(市制100周年記念モニュメント)
平成元年4月1日に市制100周年記念モニュメントとして建立されました。モニュメント設立協力金の協力者のメッセージが、モニュメント内のタイムカプセルに埋め込まれており、50年後、100年後に開封される予定です。
このモニュメントは、京都市の自治の伝統、市民の連帯、その高揚を表し、東西南北に青龍、白虎、朱雀、玄武の四神をデザインして作成されています。
京都市が誕生したのは、日本に初めて市制が施行された明治22年で、この時、京都市をはじめ全国で39の市が誕生しましたが、京都、東京、大阪の三都市は、政治的な重要性から、「市制特例」により自治権を制約され、独自の市長や市役所を持つことなく、京都府の直轄の下におかれたまま市政がスタートしました。
こうした中、先人は、地域社会における自治を支える気概をもって、明治政府に対し力強い運動を繰り広げ、その結果遂に「市政特例」の撤廃という偉業を成し遂げ、明治31年に、市民の手によって市長を選任し、専任の市職員を置き、市役所が開庁されました。
このため、京都市は、市制施行年を明治22年、自治開始年を明治31年としています。
館内
-
石川善一画伯「春夏秋冬」四部作
舞妓を繊細かつ大胆な筆致で描き、海外からも注目される作品を多数発表されている、石川善一画伯(国際美術創造会 会長、二元会常任委員 審査員)による作品。
春 -祇園歌舞練場-
京都祇園歌舞練場内にある庭に見事に咲き乱れる桜を眺める舞妓を描いた情況
夏 -地蔵盆-
太陽の降り注ぐ京の町を、浴衣姿の舞妓の前をお座敷に向かうため着飾った舞妓が通り過ぎる情況
秋 -秋雨の上り-
秋も深まる頃、芸妓に連れられて舞妓がお座敷に向かうために巽橋を渡っている情況
冬 -顔見世-
12月の毎年恒例行事である歌舞伎の総見のため舞妓が京都南座看板前で記念写真を撮っている情況
みやこめっせに展示されているものは、100号の作品を株式会社ニューリーの開発したスキャメラで複製・拡大した高精細デジタル複製画(H200cm×W160cm)です。 -
実相院「床紅葉」・「床緑」
実相院(京都市左京区)の有名な「床紅葉」「床緑」は、書院の黒い床に庭の楓が映りこむ美しい風景です。秋は床が真紅に染まり、新緑の季節には木々がエメラルド色に輝きます。当館での展示は、幅4m 高さ3mの大型サイズに施された、3Dのような超高精細プリントです。まるでその場にいるような感覚になる鮮やかさと立体感で、見事な美景をお楽しみいただけます。会長、二元会常任委員 審査員)による作品。